外壁・屋根塗装の下塗り、中塗り、上塗りについて
外壁は一年を通して雨、風、雪、太陽の紫外線、季節の温度変化等の様々な刺激から家を守る重要な任務を遂行しています。
きちんとダメージの進行状況を把握して適切な処置が取れるよう外壁・屋根リフォームの流れとポイントを理解するしておきましょう
1.外壁・屋根塗装の流れ
外壁塗料や屋根塗料は基本的に、外壁・屋根の傷み具合で使用する塗料が変わります。
広告で「シリコンパック〇〇万円」とか「フッ素パック〇〇万円」と掲載されているのを見かけますが、ダメージの進行状況によってはシリコン塗料やフッ素塗料が使えないケースも十分ありえます。
外壁・屋根塗装は通常、下塗り→中塗り→上塗りという工程で進行します。
チラシに掲載されているシリコンやフッ素という塗料は塗装作業工程中の中塗り、上塗りで使用する塗料のことです。
では、なぜ下塗り用塗料はチラシに掲載されていないかというと、外壁・屋根のダメージ状況に応じて適切なものを使い分ける必要があるからです。
下塗り塗料の選択を間違えると上塗り塗料に耐候性の高い塗料を使用しても早々に塗膜が剥離現象を起こしたり、ダメージを十分にカバーできなかったり…という可能性があります。
適切な下塗り塗料選びこそが外壁・屋根リフォームを成功させる鍵なのです。
2.下塗り、中塗り、上塗りそれぞれの役目
次は下塗り、中塗り、上塗りを行う意味についてお話したいと思います。
実は、3回の工程にはそれぞれ役割があります。
下塗り(1回目)・・・
現在の外壁・屋根の状態を綺麗にならし、中塗り、上塗り塗料がムラなく乗るように現在の外壁・屋根を調整する役割を担う。
細かいクラックやなどは弾性塗料でダメージを補修する。
中塗り(2回目)・・・
上塗り塗料と同じものを使用する。
下塗り塗料の上に塗布することで下塗り塗料の色を消し、上塗り塗料との密着性を高めるために行う。
上塗り(3回目)・・・
塗料には必ず水分が含まれており、乾燥後の中塗り塗料の表面には塗料中に含まれる水分の乾燥の跡ができることがある。
その気泡の跡を埋め、しっかりと外壁と塗料を密着させるために行う。
仕上げ塗料を中塗りと上塗りの2回に分ける事で、雨や紫外線に強く耐久性の高い外壁や屋根に仕上げることが出来るのです。
3.中塗り(2回目)と上塗り(3回目)の色は違う方がいいのか?
これは各社意見の分かれるところですが、中塗り塗料と上塗り塗料は色分けをしておくと工事工程がわかりやすくて良い。という話を聞きます。
これは塗装工程での手抜きもしくはミスを見抜くため塗装色を変えておき、中塗り部分と上塗り部分が一目でわかるようにしてくためのアドバイスです。
一見、理にかなっているようにも思えますが外壁・屋根塗装工事完了後、数十年して経年劣化で上塗り塗料の塗膜が劣化したり、剥離した際には、上塗り塗料の下から違う色が出現してしまうことでもあります。
外壁や屋根、塗料にとって経年劣化は避けられないもの。
何年かしてから違う色が出てくるとお住まいの美観を損ねることになるでしょう。
中塗りと上塗り、同じ色を推奨する会社とあえて違う色を推奨する会社がありますので、納得のいく外壁・屋根リフォームを実現させるためには、依頼会社の施工方針も確認しておくとよいでしょう。
4.まとめ
外壁・屋根塗装工事はコストと性能面を考慮すると、やはり専門業者に依頼する方が良いでしょう。
外壁・屋根塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3つの工程に分けられ、外壁・屋根のダメージにあった塗料を選択することが塗装の出来を左右することになります。
契約前には依頼会社へ工程についても問い合わせをして施工に対する考え方を確認しておくことも重要である。
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